もうすぐ入院

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もうすぐ咲くね 我が家の牡丹

 

明後日から、咽頭がんの手術のため、入院です。

 

友人から、ラインや、電話

前日の明日も、「近くに行くのでお昼ごろちょっと会わない?」というメール。

まぁ、ほんの短時間なら…って断るに断れないから…。

お昼過ぎに近くのファミレスに来てくれることに……💦

 

心配してくれるのはありがたいのですが

病状を聞かれても、自分でもはっきりわからない。

説明しながらも気分は下がるし、

それに、やってみなきゃわからないところもあるし

本人は、これから何があるか不安で一杯なんです。

 

入院の直前は、

いないときの猫の世話のこととか、

家事のやり残しとか…冷蔵庫の中の始末とか

入院の荷物、書類の確認とか、

何だか落ち着かないので、そわそわイライラするのです。

 

 

こんな時、お誘いに合わせて、いろいろ突発的に予定を入れると

自分の計画していたことが思い通りに進まなくなったり、

これをやらなくちゃと予定していた時間の配分が狂ったり…💦

 

皆、心配はありがたいけど、

こんな時だから 少しは、遠慮して

ちょっと一人にしておいて…

っていう感じです。

 

癌の宣告

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庭の水仙です

私が初めて胃癌と宣告されたのは、

まだ40代半ばでした。

 

そんな頃は、たぶん誰でも、

自分の人生はいつか限りがあることは

理屈として、頭の中では分かっていても

自分に訪れる死はずっとずっと先で、想像もつかないし、考えたこともない。

まだ、私の番じゃない。

誰にでも平等に訪れるのにね、すべての人に。

だけど、しばらくはまだまだこのたわいのない日常がずっとずっと続いていくだろう。

歳をとってからの問題だと思っているのです。

私もそうでした。

 

だけど、がんを宣告されたとたん

急に自分の死が、目の前に現実として立ちふさがり、

この先、思い描いていた未来が閉ざされたような絶望感に襲われます。

 

その頃私には小さい子供が2人いたし

夫は末期の肺がんでした。

おまけに私は、現職で責任のある仕事についていました。

 

この頃はそういったまわりの大きな課題やら心配があって、

その対処について考えるのに精いっぱい。

 

自分の病のことばかりに没頭していられない。

どうしたら、子供を守れるのか…。

夫の病気のこれからの看護は…??

両親は?仕事は…??

 

とりあえず 目の前のことだけ見ていた。

次々と襲い掛かる、過酷な現実を

一つ一つ片づけていくだけでした。

いえ、片づけるというより、やり過ごしてきただけかもしれない。

溺れながら、泳ぐ人のように…。

他の人から見たら、よく乗り越えてきたねって言われることも多いけれど

そんなに器用に乗り越えてきたわけじゃあない。

 

 

そうやって19年。

いろいろなことがあって19年。 

何とか、これまで運よく再発もなく、体力は随分落ちたけれど

QOLは 若い頃思い描いていた19年とは全く違うものになったけれど

それはそれで、

今のすべての私を作っているのだと思っています。

それも私の人生。

 

だけど今回、

また宣告されてしまいました。

さて、今回は、

ちょっと油断していた。

死と向き合うことに…

もう一度ちゃんと向き合って、

真面目に 現実のこととして、 もしかしたら近い未来かも知れないから。

限りある人生を

やさしく穏やかに生きていきたいと思います。

 

今回の私には

私を必要としている守るべき子供や、夫や両親、仕事といったしがらみがない。

みんな卒業したよ。

心残りは、猫ぐらいかな? まぁ、いざとなったら子供の誰かがなんとかしてくれるよね。

 

そう思うと、 …幸運かもしれない。

ここまで、みんな片付ける時間を、神様は私にくださった。

 

今は、

そう、じっくりと自分のことを考えていけるのだから…。

 

 

 

 

満開の桜 

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昨日は満開の桜を見に行きました

桜って、こんな風にくす玉のように、小さなまとまりがいくつも重なるように

咲くんですね。

毎年見てきたけれど、何だか新しい発見をしたようで…。

昨日見た桜は、

多分、明日からは散り始めるだろうという

その直前の満開の最後の日に、

偶然に出会えたような。

お花見は毎年するけれど、特別な日に巡り会えたような

感動がありました✨

 

 

花は毎年同じように咲くけれど

同じ花は2度とない。

毎年出会う花は、本当は1回きり。

そんなことを思う度、

毎年、繋がっていく命と、 今年の新しい出会いに

あらためて、「ありがとう」といいたくなる。

 

毎年、ここに来ます。

お花見を禁止しているせいか

このお寺はひっそりとしていて

人気もまばらで…。

それでも、こうして、見てくれる人はいなくても

精一杯、今年の花を誇らしげに

枝を広げて ……なんとも見事です。

 

 

 

 

 

咽頭がん発覚!  新しい治療法 その5

庭の椿 

妹から、結果を聞きに行く数日前に、

すぐに知らせたいことがあるから…とメールが来ました。

その晩、電話で話しました。

 

電話の内容を簡単に書きます。

 

妹の夫は、製薬関係の仕事をしていて、

ちょうど咽頭がんに適応のあるあたらしい治療薬の担当をしていたという。

 

まだ1部の病院でしか行われていないそうですが、

光免疫療法という画期的な治療法で、

手術せずに、体への負担も軽いという。

 

もしも検査の結果が思ったより癌が浸潤していて

嚥下機能、発声などの後遺症が残ることを

一番恐れていた私にとって、

救われる思いでした。

私にとっては胃の摘出以来これまで19年間、QOLの低下で辛い思いをしてきたので、

手術の、第一の不安は

「これ以上 術後の人生を辛いものにしたくない。」そんな思いが強いのです。

 

 

残念ですが、私のかかっている病院では行っていないので、

セカンドオピニオン

柏の国立がんセンターでできそうなので、

その情報も調べたり、病院の窓口に電話したりしました。

 

いざとなったら、こんな方法もある。

今後、万が一、再発などの時 救いの道があるかも知れない心強さ

 

 

ただ、標準治療ができるときは、そちらを優先してくださいと書かれていたので、

現在、手術を勧められている今の私には該当しないかもしれないけれど。

 

でもこういう別の治療法を知っているだけで、

現実を受けとめることができる気がする。

わずかでも希望があれば

人は絶望から立ち上がれるのかも知れません。

咽頭がん発覚! 不安の中で その4

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庭に咲いた可憐なハナニラの花

検査結果が出るまでの2週間、ちょっと辛かった。

気持ちが揺れるのです。

あるときは、「何とかなるよ、たぶん大したことない。」と自分を慰め、

あるときは最悪のことを想定して、覚悟を決める気持ち。気分が落ち込む。

 

それでも、癌ではすぐには命をとられる病気じゃないから 時間はあるのよね……

と再度気を取り直し、

これからのことを限定された時間で、どう処理していったらいいのか…とか。

身の回りのこと、いろいろな「いつかやるよ」と思っていたことが、

とても差し迫った身近に感じられるのです。

 

なかなかこういう切羽詰まった環境にならないと、

人間って、

面倒なこと、未来のことだからと現実味が感じられないこと、あまり考えたくないことは、

後回しにしてしまうのですよね。

 

人間、死亡率100パーセントなのにね。

 

 

こんな風に じたばたしていた時期、

元医療関係者だった姉が、

咽頭がん食道がんの入院患者さんのことを実際見てきただけに、

その大変さを知っていて、想像してしまうから

私以上に心配して、すごいストレスになってしまったようでした。

何も知らない能天気な私以上に。

 

妹は、私が一人暮らしでたぶん精神的に辛いだろうからと

自分の休暇を返上して、1時間半以上かけて、しばしば我が家に来てくれて、

私の愚痴やら、とりとめのない話を聞いてくれたり。不安な時間を一緒に過ごしてくれました。

 

でも、妹はとても向学心があるタイプなので、たぶん私には不安になるからと何も言わないけれど、いろいろと調べてくれているよ と息子が言っていて、

ああ、そうかもしれない

とはっとしました。

 

近くに住む息子もちょくちょく来てくれました。

 

こんな時、身内のあたたかさ、ありがたさを感じます。

みんな心から心配してくれているんだなぁ。

そんな気持ちに支えられていました。

 

 

あと数日で結果を聞きに行くことになった日のこと

妹からどうしても知らせたいことがあるから…と電話がありました。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咽頭がん発覚! その3 結果を聞くまでの不安

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//我が家の庭 ボケが満開です

今回の咽頭がんって

喫煙者、飲酒する人、男性に多いそうです

私は、どれにも当てはまらない

 

その上、このところ健康には人一倍気をつけていたし

ひとり暮らしを始めてからは

自分一人のことだけに気を遣うので、ストレスフリー

 

それなのになぜ??と思ってしまいます。

 

以前、胃がんの時は

夫の肺がんの発見、絶望的な予後、この先の不安

(子供たちを、この先、病を抱えて育てていけるのか、私一人で…?。)

仕事上の様々なストレス

自分の生活習慣の問題点、食生活

「確かに……。」

など、思い当たる原因や、反省点が見えていたのですが

今回は ……何もない  なぜ?

この先の改善点も見当たらない

 

年齢といってしまえばそうかもしれないけれど。

それだけじゃ希望がもてないでしょ?

 

前回は、術後、アロマ、鍼灸、マッサージ等々いろいろ試して

何とか、体質の改善しなくちゃ、

このままじゃ体質が変わらないのだから、また再発するだろうなぁ

と、必死でした。

今から考えると、食に関しては

体力つけようとたくさん食べることばかりに正解を求めていたから、

食生活に対してはちょっと甘かったな

と、今回、遅ればせながら、気がついたことはよかったと思っていますが。

 

今回は、それに食道、胃の切除の吻合部、(15日以降は肺も追加)に

また新たに経過観察が増えてしまったことを考えると

ちょっと絶望的な気持ちになって、

このところ、精神的に参りました。

 

 

15日、エコーやCTの結果を聞きに行くけれど、

何か、また問題が発覚して

例えば、もしかしたら、ステージが思ったより悪くて

術後、発声、嚥下その他の重大な後遺症が残ったらどうしよう

これまでもたくさんのQOLの低下に19年間も悩まされ

体力も、あの頃よりはかなり落ちていると思うから、

その後の治療に耐えられるのか、不安。不安、不安…。

そればかりです。

 

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病名はこちらを見て知りました



 

 

 

咽頭がん発覚!  振り返ってみれば その2

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庭に咲いた花

 

胃がんのために胃を3分の2、幽門切除して、もう19年が過ぎました。

初めの頃は、再発するかもしれない恐怖がありましたが、それでも無事に19年間、繰り返す腸閉塞の入院を経て、仕事も辞め、腸閉塞で手術もしたけれど、

再発など、癌にはならず、本当に運良く乗り越えられてきたのに…。

 

でも、考えてみたら、

体調がいい日なんて1日もなかった。

ダンピングや、食後の腹痛、1日に何回もの下痢などで、

旅行も友達との食事もほぼ諦めました。

食事を伴う会があるときにはなるべくお断りしたり、

行ったとしてもすごく不安で、

美味しい会食も、なかなか楽しめる気分ではありません。

私の体調を理解しているわずかの友人や、家族、身内を除いて。

 

家では、食後、ちょっと食べ過ぎたりすると、

胃とか背中が痛くて、とても立っていられず横になることも多かった。

痛みが引くのをひたすら待つという状態…。

 

 

だから、昨年あたりから、

こんなに長い間、体に無理を強いてきたのだから、

絶対、年齢が進んで、免疫力や体力が落ちたら、

ただでは済まないかもしれないとうすうすは予感していたのです。

 

 

昨年、糖尿が出てからは、いよいよジワリと「来たかな?」と。

ちょっと危機感を感じました。

それからは、今さらですが、ちょっと本気になって腸活を始めたり

本気で食事や生活に気をつけるようになりました。

ひとり暮らしになると食事のコントロールもしやすいし。

自分のためだけに使える時間がたっぷりあります。

 

そうしたら、長年のひどい慢性的な下痢が良くなりつつあり、

運動もしっかりすることで、

腸内環境が改善してきたかなと期待していたところでした。

こんなことなら、もっと早く気がつけばよかったな。

 

子供たちもみなそれぞれ、よい伴侶を得、家庭をもって、

ようやく肩の荷が下り、精神的なストレスもなく、

これからは、自由に自分の楽しみに時間と心が向けられると思っていた矢先でした。

 

 

でも考えてみると19年も無事に過ごしてこられただけでも、

とてもラッキーなことで、

運命に守られてきたのかも知れません。

夫を見送り、両親を見送り、

子供たちの独立まで見届けてこられたのです。

とりあえず、私に課せられた人生のミッションはほぼ完了!?

 

で、

ここにきて、そろそろ、60歳も過ぎたのだから、

健康診断で

糖尿病の心配をするようになったあたりから、

今回の病気の そんな前触れ、兆しが見えていたのかも知れません。

 

「もう終わったでしょ?お前の役割は…」

これまで体調不良の中で、よく頑張ってきたね。

そうあの世にいる夫にいわれたような気もします。